グチをたれてみる

縁あって工学系数学の宿題の採点バイトをしている。
道具としての数学、証明抜きでの数学、がここにある。ある程度は仕方がないだろう。だけど、ここにあるのは、ただ公式にあてはめられるだけの世界。しかもその公式がどうやって導かれたのか、誰も気にしていない模様。ただ流れ作業に乗せられるだけの問題たち。たとえば、こんなの。

A = \left(  \begin{array} 0 & 1 \\ -2 & -3   \end{array} \right)
B = \left(  \begin{array} 0 \\ 1  \end{array} \right)
u(t) = \left\{\begin{array} 1 \text{ for } 1 \le t \le 2  \\ 0 \text{ otherwise } \end{array} \right.
に対して、以下のような線型微分方程式 が成り立つとき x(t) を求めよ。
x^\prime(t) = A x(t) + B u(t)

つーかもっとさ、持っているテクニックなり知識なり、発想なりを駆使して、問題を自分で設定しつつ解いていくのが、工学系の数学のあるべき姿なんじゃないのかなあ。今の問題でも、事前情報をほとんど与えずに、とりあえず取り組ませてみるとか。「これが x(t)の一般式ですよー。」だとか、「ラプラス変換すると…だから、それを使えば…。」 とかやるくらいなら、Mathematicaの使い方でも教えた方が、まだマシやん。

・・・と、手をうごかすこと「だけ」を要求する数学の授業をギモンに思いつつ。でもって(いろんな意味で)ぐちゃぐちゃで、大量の答案を目の前にしつつ。

(追記)でもひとりだけ、教えられたことを全部無視して、独自の解き方をしてくる生徒がいる。こーゆーのは、時間がかかるけれども、採点していて楽しい。