世の「オームの法則」にもの申す

オームの法則を検索してみると、間違っている記述がとても多い。それらはこんな風だ。

ある抵抗Rを持つ物体に対して、電圧(差)Vを加えたときに、電流Iが流れる。このとき次のような関係が成り立つ。
I = \frac{V}{R}

どこが間違いだと思う?

ピンと来なかったら、「抵抗とは何なのか?」を考えてみるといいかもしれない。抵抗Rとは「物体に対してのある電圧をかけたときの電流の流れにくさ」である。これは数式上で
R = \frac{V}{I}
定義される*1。・・・そう。上のオームの法則の記述は、抵抗の定義に過ぎないのだ。勝手にそういうことに決めた(=定義)のであって、観測の結果そうなっている(=法則)のでは無いわけ。

じゃあ、本当のオームの法則って何なのか。Wikipedia本家の記述を意訳してみることにしよう。

導電体の両端に電圧差Vを与えたとき、そこを電流Iが流れる。オームの法則とは、これらの比である抵抗値R(= V/I)が、定数になっていることである。(ただし導電体の温度は変わらないとする。)

何が違うのか。それは、抵抗の定義は、それが電流などの値によって変化するかどうかを述べていないことだ。たとえば、与えられた電圧に対して、豆電球の抵抗は定義から計算できる。だけど、その抵抗値は一定ではなくて、電圧を変えるごとに変化していく。つまり豆電球に対しては、オームの法則はあてはまらない。

なんだか、細かいことにツッコミを入れているだけかもしれない。実用上は、定義だろうと法則だろうと関係ないし。



・・・でも、この話は前フリなのでした。本題は後日〜。

*1:dV/dIのように微分で定義したりもする。