自戒

茂木健一郎さんのクオリア日記を読んでいて、はっとした。

 私自身は、ここのところインターネットの
ブログとかそういうものの熱狂とは距離を
置いているので
 (だって、そういうツールがあるということと、
本当に価値があるものができるかどうか
ということは別だからね。....

そう!その通りだ。・・・だけど、つい、ツールをいじり回すことに時間を費やしてしまいがちだ。まったく、バッドノウハウ講座で触れられている、現実逃避にピッタリ当てはまっている。

さて、コンピュータを使うことで、果たして<本当に価値があるもの>を創造できるんだろうか。ここで言う「本当に価値のあるもの」とは、バッハのフーガや、エッシャーの騙し画、ゲーデル不完全性定理とか、そういったものを指すことにする*1

コンピュータができることは、極論を言ってしまえば、計算と、それを利用した機械的作業の効率化に集約されるんじゃないか。その計算能力は、数値計算に代表されるように、人力を遙かに超えたところにあるために、新しいものを生み出す、ということもあるだろう。また、その効率化のおかげで、煩雑な作業から解放されて、<本当に大切なこと>に向かい易くしてくれることもあるだろう。だけど、計算にしろ、作業効率化にしろ、<本当に大切なこと>に向かっていく志向性があって、はじめて役立つ(かもしれない)のであって、ツール自体がそちらへ導いてくれるワケじゃないのだ。

これを心に刻んで、よりよくコンピュータとつきあっていくことにしよう。

*1:ちなみに、GEBは読み終わってない。