用語

「ぼくの名前はホル」を検索してみたら、こんなページにぶち当たった。
http://www.tkcnf.or.jp/19ao/kaityou1511.html
『鏡の中の鏡』がこんなところで引用されてるっ!ざっとスキャンしただけで、なんというかアレ系なかほりがムンムンと。以前に山形浩生氏が指摘していた「『構造と力』におけるクラインの壺*1だとか、ソーカル事件なんかが頭をよぎる。

で、ひととおり読んでみた。ツッコミどころ満載で、幾何学モデルの妥当性だとか、その展開の仕方がギモンだったり、『鏡の中の鏡』はタイトル以外関係ないんちゃうんっ、と吠えたくなったりするけども、ここでは一点だけ。

どうして「パラダイム」や「位相」などの用語を濫用するのか。

例えば、(オリジナルな意味では)パラダイムどうしでは世界観が全く共有されないはずなのに、そういう基本的な意味が完全に無くなっている。「位相」ということばに至っては全く意味不明の用法だし。

もっとも、メタファーとして使うことに意味はあるかもしれない。確固たるバックグラウンドの知識が無くとも、それらの単語から立ち上がってくる、なんらかの質感はあるだろうし。でもそれならそれで、読者があさっての方向に妄想しないよう、もっと説明しなきゃいけない。

しっかし、レトリックを取り除くと、綺麗さっぱりなくなってしまいそうな文章だな。つーか、なんなんだこのTKCって団体は。

*1:もっともこの指摘は間違いだったけど。