攻殻機動隊2を観てきた *1

英語タイトルは、"Ghost in the Shell 2 -Innocence-"。先週から北米公開してたみたい。なんと日本語音声・英語字幕でした。アメリカンは字幕を嫌うと聞いていただけに意外。でも、原作の雰囲気を壊さないための配慮というより、ただ単に吹き替えをするほどのお金を投入したくない(できない)ため、という気がする。

攻殻2を観るのは、これで3度目。実はずいぶん単純なつくりをしているのが分かってきた。ストーリィが単純なのはもちろん、表現にしても単刀直入なのだ。たとえば、祭りのシーン。これはグラフィックと音楽が素晴らしく、かつストーリィと関係ないため、「CGを見せつけたいだけとちゃうん?」と勘ぐってしまいがちなのだけど、なんのことはない。直前のシーンで、バトーとトグサが話していた、『DNA情報の表現型としての街』を画にしているだけのことだったりするわけだ。(たぶん。)

濫用しすぎなカンジの数々の引用句は、その字面以上のことは何もなくて、もっと踏み込んだギロンが欲しいところ。今の状態では、独我論や、人間・機械論なんかの問題を提示してみた、というトコロで終わっているようだ。しかもこれら問題提起は、これまでの押井作品でず〜っとくり返されてきたけど、あまり進んでないし。とはいえ、こうした話を持ち出す作品自体が稀少だし、価値はあると思う。*1

あと、一緒に観に行ったYが、「映画・攻殻1やコミックの知識がないと全然わからんやんっ!」とブツブツ言っていた付け加えておこう。

なんだかんだいって、気に入っている作品なのでした*2。DVD欲しいなあ。

*1:少なくとも、"Welcome to the real world!"とハゲが言うだけで「現実」がさっくりと立ち上がってくる某映画よりずっといい。

*2:でも、フォロミ〜♪の歌は全然合ってなくて嫌い。